赤・黒・黄色日記

人生はワセダラグビーと阪神タイガースと居酒屋と旅と温泉とカメラとイタリア車。基本日々の食べ歩き飲み歩きを記録してます。

金田一さん、事件です。


不覚にも風邪をひいちゃいました。喉とお腹にキテます。一日ずっと寝ていて多少復活気味。皆様、お体にはご自愛ください。


さて、人生何度目かの横溝正史マイブームが来ているのですが、八つ墓村を読了。う〜む、何度読んでもすばらしい。新しい発見があるというか。よく出来てます。本格推理モノというよりはややサスペンス寄りですかね。他の作品に比べると金田一耕助の存在が地味なのが本作。映画では石坂浩二ではなく、初代は渥美清、二代目トヨエツが金田一役でしたね。久しぶりに初代の映画版を観たくなって来ました。小説以上にオドロオドロしい演出のオンパレードだったように記憶してます。ショーケンが出てたよなあ。


それと、TSUTAYAでDVDをようやく借りることに成功。悪魔の手毬唄獄門島を観ました。どちらも市川昆監督×石坂金田一コンビのシリーズ。さらにしつこく言うと、このコンビによる犬神家に続いての映画第2弾が悪魔の手毬歌、第3弾が獄門島


悪魔の手毬唄獄門島


何度も観ているのですが、改めてどちらも名作。犬神家のスケキヨマスクやフライングVがあまりにメジャーすぎて、すでにギャグのようになっているのに対して、この2つの作品は、良質な横溝正史ワールドを満喫できます。


まず、悪魔の手毬歌。岸恵子の影のある演技が光ります。美しさと怖さと悲しさを兼ね備えた迫真の演技。子供の時に観たトラウマで、以来岸恵子には怖〜いイメージしかないのですが(笑)。改めて怖いわ、このヒト。夕方の鬼首村の峠道、金田一が老婆とすれ違うシーン、叙情的でしかもヒンヤリとした空気感が薄気味悪くて、何度観ても見事な演出であります。


次いで、獄門島。こちらも風景の映し方が実に美しい。これぞ日本の田舎の原風景が綺麗に描かれていて、郷愁を誘います。瀬戸内海の夕暮れとか、本鬼頭の重厚な日本家屋とか、なんと言っても、神社の長い石段を駆け上る大原麗子の後姿がとても絵になります。死体の殺され方の不気味さは毎度強烈ですが、一方で風景の描き方が美しいところが、横溝映画(ていうか市川昆)の魅力なんだな。


この映画はなんといっても大原麗子ですね。美しい…。“お嬢様系”大原麗子と、“庶民派系”坂口良子の美女2人の対比がイイ感じです。その間にいる金田一、という構図もなかなかよく出来ている。今改めて観ると、実は金田一にも恋愛の匂いもあったんだな、というのが今回の発見。ちなみに、今は亡き太地喜和子や、ピーター(あ、これは男か)、さらにはハチャメチャ娘役で浅野ゆう子が出ていたりと、ある意味横溝映画の中で最も豪華女優陣で固められた作品なんじゃないでしょうか。


大原麗子を観ていたら、“すこ〜し愛して、なが〜く愛して”で一世を風靡した名作サントリーレッドのCMを思い出しました(笑)。幸せな気分になる広告だよなあ。確か、このCMも市川昆監督だったような。


コレほしいなあ。買おうかどうか結構悩んでます(笑)。


金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二 劇場版・金田一耕助シリーズ DVD-BOX


→人気ブログランキングへ!