キックオフ直後のノーホイッスルトライ、24点差をつけられてからの怒涛の反撃、ノーサイド直前での敵陣深く入っての攻撃…
最後の最後に逆転!を期待していたのですが、願いはかなわず。
まずは、垣永組。お疲れさまでした。
点差がついてもキレない、あきらめない姿勢はすばらしかった。特に、両FLと両WTBの80分間衰えないパフォーマンスは圧巻でした。
それだけに、垣永組には勝ってもらいたかった…本当に残念。
スコア的には1トライ差ではありましたが、彼我の差はまだまだ大きい、というのが率直な感想。
敗因はいろいろあるのでしょうが、フィジカルで負けているのが終始気になりました。帝京の個の強さと速さに押されっぱなしなのが、観ていてしんどかった。
ラックに人数を割かずに速い球出しからワイドに展開するラグビーは、戦術として間違ってはいないと思います。
ただし、この数年帝京に勝てない要因は、1対1で当り負けないフィジカルの差と、ボールを確実にキープする、速いパスを投げる、確実にキックを決める、といった基本プレーの精度の差にあることが大きい気がします。もはや見過ごせないレベルまで来ているのではないでしょうか。
後半ワセダの高速アタックが機能していたことも事実ですが、ブレイクダウンでマイボールを何度もターンオーバーされてボールポゼッションで後手に回ると、どうしても不利な戦いを強いられるわけで。
ボールを素早く動かすラグビーをきちんと機能させるためには、ブレイクダウンで優位に立つことや、エリアマネジメントをもっと考えた戦い方が必要かと。
後半の最初15分間が違う展開になっていれば…たらればですが。
今年の帝京は、点差が離れて油断もあったのか、例年ほどの堅いディフェンスではなく、自陣での不用意な反則(中には故意と思われるようなものも?)も多かった気がします。
ただし、ここぞの勝負所でトライをきっちり取りきれる集中力と安定感は、学生では圧倒的に図抜けていました。
強いフォワードと速いバックスが一体となった帝京のラグビーはさらに進化していく気がします。10連覇する可能性も十分にあるんじゃないでしょうか。
選手個々のフィジカル強化と基本プレーの精度向上を実現するための育成システムを、組織として早急に再構築しないと、このままだと打倒帝京は難しいのではないでしょうか。
まあ、リクルーティングや学校挙げてのバックアップ体制を考えると、現状では帝京が大いに優位であることは否めませんが…
身体の大きな相手に対してどう立ち向かって勝つのか、を突き詰めてきたのがワセダラグビーのDNAだと思います。
明治→関東学院→帝京と、目標とするライバルは変わってきていますが、相手が誰であれ、相手の強みを封じて最後は勝負に勝つ「クレバーで強いワセダ」の復権を期待したいと思います。
選手、関係者のみなさま、お疲れさまでした。
早稲田34-41帝京