映画ヨコハマメリーを観てきました。戦後30年以上伊勢佐木町に立ち続けた娼婦で「ハマのメリーさん」と呼ばれていたある女性にスポットを当てたドキュメンタリー。
残念ながらメリーさんの姿を実際に見たことはありませんが、ヨコハマの「都市伝説」として有名だったメリーさんにずっと興味がありました。この映画はある意味横浜の戦後史ですね。メリーさんの関係者のインタビューを通して彼女の姿と横浜の戦後が語られていきます。
ラストシーンもなかなか衝撃的でしたが、作品を通じて“人の生き様に対する敬意”というものを強く感じました。1人の“アウトサイダー”に対する、同情でも差別でも憐れみでもない対等な目線。“港町ヨコハマ”らしい懐の深さでしょうか。
作品を通じて、メリーさんの凛とした佇まいに圧倒されました。印象的だったのは、たびたび映される大岡川と京浜急行のガード沿いの映像。観光地ヨコハマとは異なる横浜の一面ですよね。秀作です。日本の戦後史や横浜に関心のある人には是非とも観てほしいですね。