今回の温泉巡りで一番楽しみにしていた国見温泉 石塚旅館。秋田駒ケ岳を望む標高850メートルの高台にあります。携帯電話は当然圏外。宿の電話も衛星電話という秘境。
さっそく大浴場へ。こちらは作って新しいようですい。お湯はホントに緑色!!!バスクリンでも入れているのか、と思うぐらい、笑っちゃうぐらい見事なライムグリーン!!!
硫黄の匂いが強いのですが、若干油臭がしますね。表面はラードを張ったような膜がかかっていて不思議。舐めてみると、塩辛いというのか、苦いというのか、妙な後味が残ります(笑)。
いや、いいお湯です。お湯が濃い〜。しばらく浸かっていたら、体の表面がうっすらと黒くなりました。気がつくと、外はスコールのような大雨。山の天気は変わりやすいですな。
次に、小さい方の内湯へ。こちらはずっと貸切状態。こっちはかなり熱め。駒ケ岳の湧き水でぬるくしないと入れません。窓が全開になってますが、ガスが発生するお湯とのこと、あまり長湯しないように!という注意書きも。
そして、名物露天風呂。日の光を浴びると、ライムグリーン色がさらにキラキラ輝いて、実に美しい。写真だとその美しさが再現されないのが残念です。
浴槽の下には、湯の花が大量に沈殿。静寂の中で山の景色を眺めながら入る秘湯の湯。最高の贅沢。ほぼ1人で貸切状態でした。
ちなみに、なぜここの温泉は緑色になるのか。大学の研究報告をざっくりとまとめると、
(1)源泉が浴槽に注ぎ込まれる過程で、「多硫化イオン」が発生 → 黄色
(2)(1)の過程で発生する「炭酸カルシウム」や「硫黄」に太陽光が当たり、「レイリー散乱」が起こる → 青色
(3)黄色+青色=緑色の出来上がり
ということのようです。なるほど!
部屋は本館の2階。年季の入った建物ですが、ベランダの窓を開け放してぼんやり。あ〜、脱力。時間がゆっくり流れてるなあ。ビールが美味い。
さて、夕食は、懐かしい食堂のような雰囲気のようなところでいただきます。素朴な料理ですが、いいなあ、こういう感じ。ひたすらビールがすすむなあ(笑)。
宿泊者はほとんどが年配の方ばかりで、娘は当然ながら最年少(笑)。宿のおばちゃんに相手をしてもらってご機嫌でした。緑色の温泉がすっかり気に入ったらしく、「みろりのおんせん、はいる〜」と連呼。朝風呂もばっちりしましたけどね。
5月〜11月上旬の6ヶ月だけ営業という秘湯。また近いうちに再訪したい温泉です。
国見温泉石塚旅館
岩手郡雫石町橋場国見温泉
TEL:090-3362-9139(衛星電話)
TEL:019-692-3355 (転送電話)