赤・黒・黄色日記

人生はワセダラグビーと阪神タイガースと居酒屋と旅と温泉とカメラとイタリア車。基本日々の食べ歩き飲み歩きを記録してます。

硫黄島2部作


クリント・イーストウッド監督の話題作、“父親たちの星条旗”と“硫黄島からの手紙”の硫黄島2部作を観て来ました。


2本共に2時間半近くある大作とは思えないほど、引き込まれるように一気に観れました。


感想ですが、戦争とは空しいものだということ。勝者も敗者も関係なく悲惨。そこには正義など存在しないことを淡々と描くところに、逆にイーストウッドの凄みを感じました。


日米それぞれの視点から描いており、基本的にはまったく別の作品になっているのですが、いくつかのシーンに関しては両作品間でリンクが張られており、そのあたりの演出には唸らされました。


それにしても、イーストウッドは日本人の琴線をよくわかってますね。硫黄島の方は、知らないで観ていると日本人監督の作品としか思えません。


早速影響を受け、散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道を読了。栗林忠道中将の人間像がリアルに描かれていて秀作。徹底したリアリズムに基づいた高い戦術眼には目を見張るものがあります。以下文中の表現を引用しましたが、彼の生き様を的確に表してます。

名誉に逃げず、美学を生きず、最後まで現実の中に踏みとどまって戦った栗林の強烈な意思を確かに具現していた


栗林が採った“ゲリラ戦術”がアメリカ軍を恐怖に陥れ、歴史に残る壮絶な戦いになったわけですが、これって関が原の戦いで真田昌幸が一躍有名になった上田城篭城に似ているなあ、と思ったら、栗林中将は真田氏の城下町だった長野県松代の出身。栗林家は戦国時代から郷士として真田家に仕えていたということ。なるほど、共通点があるわけだ。


その後のベトナム戦争しかり、何事にも圧倒的な物量のもとに“正攻法”で正面突破したがるアメリカ人が最も苦手なのは、“ゲリラ戦術”なのかもしれません。


散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道


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