ラグビーのレベルの差を痛感した大敗。
ここまで無力感を感じるのは、90年代後半の低迷期以来でしょうか。
FB大畑君に「蹂躙」された97年石川組の京産大戦、98年正木組の関東学院戦、99年小森組の同志社戦、2000年江原組の関東学院戦。どれも大学選手権で完膚なきまでに叩きのめされた試合でしたが、あの時を思い起こさせる敗戦。
シーズンを通してずっと気になっていた不安定なスクラムとラインアウト、スクラムハーフの球捌きの悪さ、状況判断の悪さと精度の低いパス、一旦劣勢になると立て直しのきかないメンタリティの弱さ、ゲームマネジメントの拙さは、結局改善できなかったということなんでしょうか。
90年代後半と比べるとラグビーエリートが多く入部してきているわけで、戦力面では他校以上に充実しているはず。となると、選手個人の問題というよりは、指導陣の育成方法や組織の運営自体に問題があるのでは?と勘繰りたくなってしまいます。
この日の帝京は例年見られるフォワードごりごりの遅延プレーではなく、フォワード・バックスが一体となった見事なラグビーを展開していました。SO中村選手に代表されるように、イイ面構えの選手が増えてきている気がします。チームの戦い方に迷いがない、自信がみなぎっているように感じました。
一方の早稲田。前半20分過ぎまでは期待の持てる戦い方でしたが、風下の後半は帝京のフィジカルの強さに当たり負けて圧倒されるばかり。たまにボールを持ってもチームとしてラインブレイクをする工夫がまったく見られず、個人技に頼るのみ。結局我慢しきれずにターンオーバーされて失トライという負の連鎖。快速バックスリーに良いボールが供給される場面がほとんど見られないままノーサイド。
選手は一所懸命だと思いますが、指導陣を含め、組織としてもう一度立て直さないと、来年以降再び90年代後半のように低迷するのではないかという危機感を感じざるを得ません。
厳しい言い方をすると、清宮監督時代の遺産を食い潰してしまった、DNAがちゃんと継承されなかった結果なんでしょうかね。豊田組あたりから感じていた「違和感」がこの結果につながっていると言ったら言い過ぎだとは思いますが…今シーズンの総括を聞きたいところです。
現状では帝京の背中は遠いと思いますが、来シーズン以降の巻き返しを期待したいと思います。ワセダらしい、どんなに劣勢になってもあきらめない、最後の最後には勝利をもぎ取るしたたかなラグビーを見せてほしいです。上田組のみなさま、お疲れさまでした。
◇ラインアウト→モールで唯一のトライ。理想的な攻撃でしたが・・・
早稲田10-38帝京